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ようこそ教会へ

 

 光が描く鮮やかな世界をご一緒に

 

 山形県在住で、ステンドグラス作家の遠藤昭雄さんが、88才にして初の個展を昨年末に地元で開催しました。若い頃より聖書を題材にした絵画やガラス絵など、長年創作活動に没頭してきた遠藤氏が、最終的に辿り着いたのがステンドグラスでした。ヨーロッパ製の色ガラスを仕入れ、図案に基づいて大小様々な形にカットし、200~300個ものパーツを、鉛で丹念につなぎ合わせて一枚の作品を完成させていくのだそうです。吸い込まれるような深い青を基調としながら、絵画のような鮮やかな色遣いで描かれる遠藤さんの聖書ものがたりの世界は、時に荘厳であり、時にユーモラスであり、限りない優しさをたたえています。

 ステンドグラスは光があってこそ美しく輝きます。日差しを浴びる角度によって、登場人物は、刻一刻とその表情を変えます。そっと手で触れてみると、燃えるような光の熱さが伝わってきます。夜間は、外からの光を当てることで、また日中とは異なった趣きを楽しむことができます。灯りのついた室内からステンドグラスの窓を眺めたところで、感動のないモノクロの世界でしかありません。しかしそこに背後から照明を当てるやいなや、作品に命が吹きこまれ、画中の人物がにわかに躍動し、多様な色彩が輝きを放つフルカラーの世界へと一気に変貌します。

 東日本大震災の際、各地で計画停電が行われましたが、電力の供給がわずか数時間ストップするだけでも、どれほど困難なことであるかを痛感させられました。夜間の停電は、普段は当たり前と思っていた灯りの絶えない生活空間を、順番に漆黒に染めていきました。

 今日、人も世界も多様性に輝いています。それぞれが独自のカラーを持ちながら、一つに調和して輝くためには外からの光に照らされる必要があります。イエス・キリストという光で互いの存在の中心が貫かれ、燃えるような熱い神の命が注ぎこまれるなら、冷たく感動のないモノトーンの世界は、喜びに満ちた彩り豊かな世界へと変えられていくのです。

 「わたし(イエス・キリスト)は世の光である。わたしに従って来る者は、やみのうちを歩くことがなく、命の光をもつであろう」。                (ヨハネによる福音書8章12節)

                             

 

     

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